咬合調整の必要性と方法について
咬合調整とは、歯並びや骨格のバランスを整えて、歯や口腔内を健やかに保つ治療法です。噛み合わせの悪さは歯だけでなく、全身に悪影響を及ぼすため、適切な咬合調整を受けることが大切です。
本コラムでは、噛み合わせの悪さを放置するリスクや咬合調整の必要性を解説し、歯科医院での咬合調整の方法についてご紹介します。噛み合わせの悪さでお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。
咬合調整(噛み合わせ治療)の必要性
咬合異常(不正咬合)とは、歯並びや噛み合わせが悪い状態のことです。見た目の悪さだけでなく、歯磨きやフロスによるセルフケアが行き届かず、虫歯や歯周病、口臭などの疾患につながります。
噛み合わせの悪さが進行すると、一部の歯だけに過剰に負荷がかかります。その結果、歯や口腔内だけの影響にとどまらず、さまざまな悪影響を及ぼします。特に、噛み合わせは顎や首まわりの筋肉とも密接に関わっているため、肩こりや首の痛み、片頭痛、めまいなどの症状が出る場合があります。
咬合調整で歯並びや顎の骨のバランスを整えると、歯全体に負荷が分散し、しっかりとものを噛めるようになります。さらに、セルフケアをしやすくなり、口腔内を健やかに保てるでしょう。また、噛み合わせの悪さが原因となっている虫歯や歯周病、口臭、そのほかの全身の不調などの改善も期待できます。
咬合調整(噛み合わせ治療)の方法
噛み合わせの悪さが軽度であれば、矯正歯科や審美歯科で治療が可能なケースがほとんどです。
歯列矯正とは、時間をかけて歯を移動させ、歯並びや噛み合わせを改善する治療方法です。6~15歳ごろに治療を開始するのが適しているといわれますが、成人でも矯正治療は受けられます。審美歯科では、歯の大きさや形状、色合いを調整し、不正咬合の改善を目指します。
噛み合わせの悪さが重度の場合は、骨の成長が止まる18歳前後で外科的な骨切り術の選択が推奨されます。術前・術後それぞれで、矯正を受ける必要があります。
正しい噛み合わせは、歯の接触部分だけを診断しても判断できるものではありません。咬合調整を行うのであれば、歯だけではなく、歯周組織や顎関節、周囲の筋肉など、さまざまな部位を診断し、総合的に判断できる歯科医師のもとで治療を受けることが大切です。
Q1:差し歯やブリッジがあっても咬合調整は受けられますか?
A1:可能です。ただし、補綴部分は現在の歯並びに合わせて作られているため、咬合調整中に不要になったり、作り直しが必要になる場合があります。
Q2:咬合調整は保険適用ですか?
A2:先天的な口唇裂や口蓋裂、外科的治療が必要な顎変形症などの疾患に起因する不正咬合を除き、咬合調整は保険適用外です。歯科医院によって費用は異なるため、治療開始前に必ず確認しましょう。