歯周病と妊娠・出産との関係とは? | 吉祥寺エリア(武蔵野市・三鷹市)で歯科・インプラント・矯正歯科

湖秋会の歯科コラム COLUMN
2023.10.12 一般歯科

歯周病と妊娠・出産との関係とは?

「妊娠中は歯周病になりやすい」「出産時に歯周病にかかっていると赤ちゃんに影響がある」という話を見聞きしたことはありませんか?歯周病は口の中の病気ですが、実は妊娠・出産と大きく関係のある病気でもあります。本コラムでは、歯周病と妊娠・出産がどのような関係なのか、赤ちゃんへの影響や予防方法なども含めてご紹介します。

歯周病が妊娠・出産に与える影響と関係性
妊娠中は歯肉炎や歯周病になりやすいといわれています。歯肉炎は初期段階で適切なケアをしなければ症状が進行し、悪化すると歯周病になるため注意が必要です。

妊娠中に歯肉炎や歯周病になりやすい理由の1つに、つわりがあります。吐き気により歯磨きの回数が減少したり、酸っぱいものを頻繁に食べることによって口腔内が酸性に傾くことから、歯周病菌が繁殖しやすい環境となるためです。ほかにも、少量かつ頻回の食事の習慣化や、妊娠中に分泌量が増える女性ホルモンも、歯周病を進行させる要因といわれています。

また、歯周病は早産や低体重児出産のリスクが高まる原因となるため、早期に処置・治療を行うことが大切です。歯周病が進行すると、体内では炎症を抑えるためにサイトカインやプロスタグランジンが分泌されます。これらの物質は子宮収縮や胎児に影響を与える可能性が高くなるといわれています。妊娠中の不快な症状や出産時のトラブルを減らし、元気な赤ちゃんを産むためにも、歯周病予防を積極的に行いましょう。

妊娠中や産後は歯周病予防を心がけよう
妊娠中は体調不良、産後は疲れや忙しさから歯磨きをつい怠りがちです。慣れない育児で時間をうまく見つけられず、口腔ケアに時間を費やせない方も少なくありません。しかし、簡単な口腔ケアだけでも継続していれば、歯周病のリスクを減らすことができます。

妊娠中や産後にできる歯周病予防では、毎日の歯磨きが基本です。短時間でも、磨けるところだけでもよいので、磨けるときに歯磨きをしましょう。体調がよいときは普段よりも丁寧に磨くとなおよいでしょう。歯磨きができないときは、食後のうがいだけでも効果があります。つわり中でもうがいであればできる方は多く、トイレ後の手洗いのときや嘔吐したあとにうがいをすると、口腔内はある程度清潔に保ちやすいです。また、ガムを噛むと唾液の分泌量が増えるため、歯周病の予防になります。特にキシリトールガムは予防に効果的とされているので、ぜひ試してみてください。

これらのセルフケアに加えて、歯科医院での定期検診もおすすめです。定期検診では、口腔内のチェックや歯垢・歯石の除去、ブラッシング指導などを行います。セルフケアでは取り除ききれない汚れも落とせるため、妊娠期間中は虫歯や歯周病の症状がなくても定期的に受診しましょう。

 

Q1:歯周病は放置していても自然と治りますか?
A1:歯周病は自然と治るものではありません。初期段階では、歯垢を除去するだけで症状が緩和するケースもあります。しかし、自宅でのセルフケアに加え、歯科医院でのクリーニングが欠かせません。歯周病を放置すると、最悪の場合歯が抜け落ちてしまうため、放置せずに歯科医院を受診してください。

Q2:歯周病が不妊症のリスクを高める可能性はありますか?
A2:可能性はあります。歯周病は男女問わず、不妊関連疾患に影響を与えると考えられているため、妊活を検討している方は歯科医院で一度検査を受けましょう。

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