ダイレクトボンディングとはいったい何?
ダイレクトボンディングとは、レジンを歯の表面に塗り重ねて行なう修復法のことを指します。
保険適用のコンポジットレジンによる治療と比較すると、審美性に優れているという強みがあります。また、複数のレジンを組み合わせることで、患者さまの歯の色に合わせた修復が可能なため、治療跡をうまく隠すことができます。さらに虫歯の詰め物として使用する場合には、歯を削る量が少なく済むので、小さな虫歯跡を修復することに適しています。
ホワイトニングの際には、レジンを塗り重ねることで白くしていきますので、歯を削ることなく歯の白さを取り戻すこともでき、黄ばみや黒ずみの改善にも役立ちます。レジンを塗り重ねていくダイレクトボンディングは、歯を大きく形成できるため、歯に隙間がある場合にも活用できます。その場合、矯正治療よりも安価で時間をかけずに隙間を埋めることができ、かつ歯全体のバランスも修正することが可能となります。また、歯の形や大きさを整えることもできるため、表面がボコボコしている場合や先端がギザギザしているケースも改善できます。
ダイレクトボンディングはこのようにメリットが多いのですが、自費治療であるため治療費が高額になる点はデメリットです。また、小さな虫歯跡や隙間には対応できますが、大きな欠損に向かないという弱点があります。広範囲の修復には向いていないため、大きい虫歯がある場合など、患者さまの歯の状態によってはダイレクトボンディングを希望されても、他の治療を選択していただかなければならいないケースも発生します。
治療にあたり型取りをする必要がないため、他のセラミック治療と比較すると治療期間は短く済みますが、何種類ものレジンを少しずつ重ねて1本の歯を仕上げるので、1回当たりの治療時間が長い点もデメリットでしょう。
1回あたりの治療時間については、歯の修復箇所や範囲によっても変わりますので、気になる場合はあらかじめ相談してみましょう。保険治療よりも耐久性があり、他の自費治療よりも比較的安価で行なえるダイレクトボンディングを、治療方法の選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。