インプラント治療の成功率について
歯科医院によっても差はありますが、インプラント治療は上顎で96%以上、下顎で98%以上と高い成功率で失った歯を取り戻すことが可能です。しかし、インプラント治療は必ず成功するわけではなく、一定の条件で失敗することがあります。
インプラント治療の失敗とは、トラブルにより骨と歯根が結合せず安定しない場合や、人工歯が破損または脱落することがおもに挙げられます。インプラントが天然歯と遜色なく機能するには、骨とインプラントがしっかり結合することが必要不可欠です。インプラントを埋め込む際に顎の骨にダメージを与えてしまった場合などが原因の場合もありますが、患者さまの体の状態によって結合がうまくいかない場合も少なくありません。
喫煙やアルコール摂取を行なっている人は血流が悪くなり、歯茎に十分な血液が行き渡らなくなります。その結果、骨とインプラントの結合力が低下し、インプラント治療の成功率が大幅に下がってしまいます。糖尿病の患者さまもブドウ糖濃度が高いことで血流が悪くなり、結合しにくい状態となる他に、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高いです。
高血圧の方は治療中に血圧が上がる危険性があり、手術自体難しくなるのでかかりつけの内科にまず相談することが重要です。人工歯の破損や脱落は噛み合わせが問題であり、インプラントに負荷がかかることで起きます。インプラント治療で失敗しないためにも歯並びや噛み合わせにも注意を払うことが必要です。
また、治療後の患者さまの習慣もインプラント治療成功を左右する部分として挙げられます。インプラントの歯周炎は通常の歯周病と同じ病ですが、神経が取り除かれた人工歯のインプラントは歯周病の自覚症状が出にくいのが特徴です。そのため、念入りなケアを行なうとともに歯科医院の定期検診でメンテナンスをしっかり行なっていただくことで、インプラントを長く保つことが可能です。
インプラント治療を失敗しないように導くためには、患者さま自身による体調管理やメンテナンスへの意識もとても重要だと知っておきましょう。