歯周病は年齢とともに増えるの?
虫歯と並んで歯を失う2大疾患である歯周病は、年を重ねるにつれてかかりやすくなるのでしょうか?
本コラムでは、歯周病の年齢ごとの罹患率を解説いたします。歯周病の原因や予防法も紹介するので、ぜひご参考にしてください。
歯周病と年齢の関係は?
歯周病は細菌により歯周組織の炎症が起こり、歯を支える歯槽骨が溶ける疾患です。
厚生労働省による2022年の歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットがある割合が、70~74歳で最も高くなりました。歯周病は初期の段階だと症状がわかりにくく、気づいたときには進行しているケースが多くあります。歯槽骨にまで影響が及ぶと、歯の喪失にもつながりかねません。
歯周病の原因の一つとして、免疫力の低下や唾液の減少、骨量の減少といった、加齢にともなう身体の変化が挙げられます。
加齢は原因の一つですが、若いからといって安心はできません。歯周病の初期段階である歯肉炎は、子どもでも起こりうる炎症です。歯茎の腫れや出血、口臭などの症状がある場合は注意してください。
歯周病リスクが増える前に予防を
歯周病対策は早めに始めることが大切です。デンタルフロスや歯間ブラシの併用で日頃から丁寧なブラッシングを心がけ、3ヶ月に一度を目安に定期健診を受けましょう。
定期健診では、歯周病検査や歯石除去を行います。歯に付着した歯垢や歯石を取り除き、歯周ポケット内をきれいに掃除します。また、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けましょう。自分の歯並びや噛み合わせによって、磨きにくく歯垢が溜まりやすい箇所を知るのは大切です。
また、不規則な生活習慣や喫煙、糖尿病は歯周病のリスクを高めます。睡眠を十分にとり、栄養バランスのとれた食事やストレスの少ない生活を心がけるのが大切です。
日頃のデンタルケアや生活習慣が、口内環境や健康な歯を作ります。加齢で歯周病リスクが高まる前に対策しましょう。
「歯の健康が気になる」「歯周病対策を始めたい」などでお悩みの方はぜひ当院にご相談ください。
Q1:歯周病の診断にはどのような検査を行いますか?
A1:プローブと呼ばれる針状の器材で歯周ポケットの深さを測るほか、エックス線検査で歯槽骨の高さを調べます。また染色液で歯を染め、プラークの付着箇所を確認して口内環境の改善につなげます。
Q2:虫歯リスクも年齢とともに増えますか?
A2:厚生労働省による2022年の歯科疾患実態調査では、年齢が高いほど虫歯の割合も高くなっています。歳を重ねるにつれ歯周病で露出した歯の根元部分や、治療した歯の詰め物の裏などにも虫歯ができやすい傾向があります。