インビザラインで歯茎が下がる?その原因と予防法
歯茎が下がる現象を「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」と呼び、この状態が進行すると知覚過敏や歯周病などさまざまなリスクが生じます。インビザラインで矯正治療をする際にも、歯肉退縮が問題となる場合があります。
本コラムでは歯茎が下がる原因と予防法について解説していますので、インビザラインによる矯正治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インビザラインで歯茎が下がる主な原因とは?
インビザライン治療中にみられる歯肉退縮には、いくつかの原因が考えられます。
まず、矯正治療は歯を支える骨(歯槽骨)に負荷をかけ、歯を動かすことを目的としています。この過程で歯が歯周組織からはがれる場合があるのです。特に下の前歯は、歯茎や歯槽骨が薄いため、歯肉退縮を起こしやすいとされています。
また、インビザラインではコンピューターを使用し、患者さまの歯型に合わせた装置を作成します。しかし、すべての歯の動きを正確に予測するのは困難です。治療を開始してから明らかになる歯の動きもあるため、予想外の歯の移動が歯肉退縮を引き起こす可能性もゼロではありません。
さらに、歯周病も歯肉退縮のリスクを高める要因とされています。特にマウスピースを装着していると口腔内の細菌が増殖しやすく、歯周病リスクも高まるため、注意が必要です。インビザラインを使用する際は、定期的な歯周病チェックや口腔ケアがとても大切です。
歯肉退縮のリスクを回避する予防法
歯肉退縮を放置すると、知覚過敏のリスクが増え、冷たいものがしみやすくなります。さらに、虫歯や歯周病のリスクも高まり、最終的には歯が抜ける可能性もでてきます。これらを防ぐためには、適切なホームケアが大切です。歯肉退縮は、歯の健康や見た目だけでなく、全体的な口腔内の健康にも影響を及ぼすため、特に注意しましょう。
インビザライン治療中は、マウスピースの装着時間を守ることが歯肉退縮の予防につながります。装着時間が短いと歯が想定外の動きをするため、歯肉退縮を引き起こす原因になります。また、マウスピースを清潔に保ち、適切なブラッシングを行うのも、歯周病リスクを下げるためにとても重要です。
強過ぎるブラッシングは歯茎が下がる原因となるため、力加減には十分注意しましょう。歯のすき間や歯周ポケットの清潔を保つためには、フロスや歯間ブラシの使用も効果的です。口腔内の健康を維持するためにも、歯科医院を定期的に受診し、ケアを行いましょう。
Q1:歯肉退縮の放置は知覚過敏や歯周病のほかに、どのようなリスクがありますか?
A1:歯茎が下がると、口元が痩せて見えたり、歯が長く見えたりするなど、審美的な問題を感じる場合があります。また、歯根が虫歯になると進行が速く、神経までの距離も近いため、重症化しやすく注意が必要です。早めに歯科医に相談しましょう。
Q2:歯茎が下がりやすい人はいますか?
A2:歯肉退縮を起こしやすい方の傾向はいくつかあります。歯ぐきが薄い方、面長の顔の方、歯が縦に長い方、そして叢生(そうせい)と呼ばれる歯がデコボコに生えている方です。歯肉退縮のリスクについて心配のある方は、インビザラインの治療開始前に、お気軽にご相談ください。