インプラントを入れてから噛めるようになるまで
インプラント治療を終えても、すぐに食べ物が噛めるようになるわけではありません。インプラント治療では、顎の骨に穴を空けてインプラントを埋め込み、結合させることで土台を形成していきます。
切開した傷が治るまで、またインプラントが骨にしっかり結合するまでには数ヶ月の期間が必要です。まだ傷が治りきっていない状態や結合ができていない状態であるにも関わらず、治療した箇所で食べ物を噛んでしまうと、傷が開いたり上手く結合できなくなったりします。そのため、術後しばらくは施術箇所を避けて食べ物を噛む必要があります。
また、まだ土台が完成していない状態の時点では、不安定であるため上部構造の人工歯を装着することはできません。しかし、金属部分を突出したまま放置してしまうと、口腔内の粘膜を傷つけたり、隙間ができていることで周囲の歯並びに影響を与えたりしてしまいます。そのため、結合部分に仮歯を装着してインプラントと顎骨が結合するのを待ちます。
傷が治って結合するまでには平均的に2ヶ月~3ヶ月の期間がかかりますが、患者さまの年齢や骨の硬さなどによって治療期間が変わってくることを把握しておきましょう。また、仮歯には虫歯や歯周病の原因となる細菌を防ぐ効果もあり、インプラントが骨と結合するためにとても重要な役割を担っています。
インプラントが結合する前に細菌で炎症を起こしてしまうと結合が阻害されてしまうため、結合までの期間が大幅に増え、食べ物を噛めるようになるまでに長い時間がかかってしまいます。治療期間を長引かせないためにも、仮歯を装着して組織を守っていくことが重要です。また、抜歯を行なった際は歯茎が治る4ヶ月~6ヶ月の間はインプラント治療は行なえません。
抜歯と同時にインプラントを埋め込むこともできますが、治療できるケースは限られてきます。そのため、噛めるようになるまでの期間は長くなることが多いため、抜歯を行なったうえでインプラント治療を行なう際は、長期にわたる治療スケジュールをしっかり確認しましょう。