総入れ歯と部分入れ歯について
多くの歯を失った方が装着する入れ歯には、様々な用途、目的があります。歯はお口の健康だけでなく、体全体の健康を維持するために大切なものです。しっかりと噛み、おいしく食事を楽しむことで心身ともに健康になり、歯があることではっきりと発音でき、豊かなコミュニケーションが続けられます。こうした健やかな生活を行なっていくために、活用されているのが入れ歯です。
入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯の2種類があります。総入れ歯は全ての歯を入れ歯にするものなので、自分の歯が1つも無ければ総入れ歯にするしかありません。部分入れ歯は自分の歯が1つでも残存しているなら対応可能です。他には、どのような違いがあるのでしょうか。歯の数だけでなく、入れ歯の支え方にも違いがあります。
総入れ歯の場合は、自分の歯はないので、歯茎全体を土台にしてピッタリと吸着させるようにして装着します。対して、部分入れ歯は残存する自分の歯があるので、残っている歯を土台にしてクラスプという金属のバネやレストという入れ歯の沈み込みを防ぐ装置などで支えます。
残存する歯が飛び石のようになっている場合は、金属のバーで土台を連結するなどして強度を高めることが必要です。費用面でも違いがあります。そもそも入れ歯は保険適用と自費診療のものがあり、入れ歯に使用する材料などによって費用が変わってきます。顎骨がない方や少ない方の場合は入れ歯を安定して装着するために症例に合った入れ歯を使用します。
このようにお口の状態や要望には個人差があるため、ここでは一般的な費用相場をお伝えします。保険適用の総入れ歯は1万円前後、部分入れ歯は5000円〜1万5000円が相場です。費用としては、さほど変わりはありません。自費診療の総入れ歯は15万円〜40万円、部分入れ歯は8万円〜40万円ほどです。
保険適用と自費診療ではかなり費用の違いがありますが、見た目や質、長持ちさせられるのか、といった様々な観点から考えると結果的には自費診療でもコスパが高い場合もあります。入れ歯をずれにくくして、快適に過ごすために自由診療を選択される方もいらっしゃいます。